最終目標は、ミニマリストではなく、エッセンシャル思考な人
「エッセンシャル思考(最少の時間で成果を最大にする)」という本を読みました。
本書の最大の主張は、「より少なく、しかし、より良く」(Less, but better)というもの
『Less, but better』
すごくシンプルで、パワフルで、本当によい言葉だと感じました。 本田 直之さんの『Doing More With Less(DMWL)』も良いけど、こちらの方がもっとシンプルですね。
「より少なく、しかし、より良く」を実践するために、「重要なことを見極め、それ以外の無駄や余分を排除し、本当に重要なことに全てのエネルギーを注ぐことで、最少の時間(努力)で成果を最大にする。」という生き方をしよう。
簡潔に書くと上記のような内容です。ビジネス本や自己啓発書を読む人なら「よくある考え方だよね。知ってる知ってる。」と感じる人が多いのではないでしょうか。そういう私も、最初はそんな印象でエッセンシャル思考を捉えていました。
けど、本書を読み、「知っている。」と「実践できている。」にこれほどの違いがあるのかということを思い知らされました。
非エッセンシャル思考の罠
例えば、以下の3つのセリフを自分が使ったり、身の回りで聞いたりしませんか?
- 「やらなくては」
- 「どれも大事」
- 「全部できる」
これらは、人を「非エッセンシャル思考の罠」へ巧みに誘います。
では、エッセンシャル思考の人は、どう考えるかというと、
- 「やらなくては」ではなく「やると決める」
- 「どれも大事」ではなく、「大事なものはめったにない」
- 「全部できる」ではなく、「何でもできるが、全部はやらない」
と考えるそうです。
また、非エッセンシャル思考の人は、トレードオフが必要な状況で「どうすれば両方できるか?」と考えます。だがエッセンシャル思考の人は、「どの問題を引き受けるか?」と考えます。
どうでしょうか?皆さんは、エッセンシャル思考な人ですか?それとも非エッセンシャル思考な人ですか。
自分は、エッセンシャル思考的に生きたいと考えていましたが、残念ながら思いっきり非エッセンシャル思考な人間だったと思い知らされました。この気付きをもらえただけでも、本書を読んだ価値があったと思います。個人的には、素晴らしい良書だと思いました。
エッセンシャル思考モデル
非エッセンシャル思考 | エッセンシャル思考 | |
---|---|---|
考え方 | みんな、すべて | より少なく、しかしより良く |
・やらなくては | ・これをやろう | |
・どれも大事だ | ・大事なことは少ない | |
・全部こなす方法は? | ・何を捨てるべきか? | |
行動 | やることをでたらめに増やす | やることを計画的に減らす |
・差し迫ったものからやる | ・本当に重要なことを見定める | |
・反射的に「やります」と言う | ・大事なこと以外は断る | |
・期限が迫ると根性で頑張る | ・あらかじめ障害を取り除いておく | |
結果 | 無力感 | 充実感 |
・何もかもが中途半端 | ・質の高い仕事ができる | |
・振り回されている | ・コントロールしている | |
・何かがおかしい | ・正しいことをやっている | |
・疲れきっている | ・毎日を楽しんでいる |
どう考えても、エッセンシャル思考な生き方をしたいと強く感じました。
最終目標は、ミニマリストではなく、エッセンシャル思考な人
エッセンシャル思考は、仕事のやり方だけではなく、生き方だと思います。
所有する服、見るテレビ、読むニュース、趣味、付き合う人、スマホに入れるアプリ。 どんなことでも、あれもこれもと中途半端になっていないだろうか?
エッセンシャル思考な人は、おそらくミニマリストでもあると思うのです。
『やることや身の回りのモノを減らし、人生をシンプルにして、本当に重要なことやモノだけに集中する。』
たくさんのどうでもいいことより、数少ない本質的なことを全力で追及していきたい。そのためのしくみを学び、もっと研ぎ澄まされた生き方をしたい。そう感じた人には、是非、本書を手に取ってみてほしいと思いました。
書籍版
- 作者: グレッグ・マキューン,高橋璃子
- 出版社/メーカー: かんき出版
- 発売日: 2014/11/19
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